海津 歩 スワン 株式会社スワン代表取締役社長

「愛と正義と勇気の話」
知的障害者然としていない「スワンベーカリー」のお話です。これも非常に面白かった。

◆サッカー型組織!
僕はサッカーの審判。
お客さんがお金を払ってくれた時が得点。

スワンは障害者のための会社ではなく、お客様のための会社
厳しいが、厳しいからこそ、彼らも達成感を。

スワンでは健常者も障害者も権利と義務は同じだと思っている。
障害者も健常者も戦力として僕は見ている。
スワンはできる人だけ雇っているわけではない。
4か月かけてブラッシュアップし、賃金分の仕事をしてもらう。

とまあ、私の話を聞くより、赤坂店の12時〜13時を見てくれ!!

今日も怒涛のような雄たけびのように
「足齧っちゃった!!」
なんて事件が。

毎日事件が起きていて「うまくいってる!」わけではないが、
事件があればチャンス!貯金貯金と考えている。
普通の「障害者障害者した会社」ではないのだよ!!

◆設立経緯
故小倉氏(ヤマト運輸宅急便創業者)
「障害者の社会参加と自律の支援を目的に
全私財を投じ、ヤマト福祉財団を設立

阪神淡路大震災がスワン設立のきっかけだった。
そこで、障害者は10万円も給料を貰えていない。
そこで「かわいそう」ではなく「何やってるの!?店は何売ってるの!?」
という問題意識を持ったことが発端!

フリーマーケットに出されるものの、できそこないのようなものを
障害者に作らせて売っていた。それでは、儲かるはずがない。障害者に給料を払えるはずがない。

そのころ、高木ベーカリーの高木さんと会った。
「じゃ、うちの生地使ったらー?」

しかしそれに小倉さんは飛びつくではなく、
小倉さん「え、何でパンなの!?」
・毎日食べるもの
・お客さんの前でできる綺麗なもの
という理由で、「パン」に決断した。

現在26店舗。
70%が知的障害者。みなさん経済的に自立しています。



小倉イズム
勧善懲悪 尊徳より善悪 正義はかつ
顧客第一 需要は経営者が作る

世のため人のため 必要な事業は 絶対に持続的繁栄する
できないのは社長のせい
経営は黒字にすること
系絵日より多くの収入を生み出すのが社長
初めから最低賃金払え
行動あるのみ 走りながら考えよ
そもそも起業はトレードオフを両立させる組織
やらなければ、分かっている事は一つ、できないということだ




・障害者のよさ
ノンストップで260個箱を組み立てられますか?
彼が休んで健常者に任せたら3つ作ればタバコ吸いに行っている

健常者こそ、手抜きを編み出したり、不作為を行ったりする。
障害者はできるまで時間がかかったり、苦手なことが目立つ、
だけど、面従腹背がない。自分の事しか考えていないやつとは口を利かない。
ストレートに帰ってくるから、やりやすい。




・民間は経常利益でけりがつく 数字が全て
差別もいじめも非効率
パン屋の朝は時間とも闘いあ
究極のOJTで感じる2つの弊害
 1.親の支配的愛の弊害
 2.養護学校の優等生

戦力として障害者をみている。
そのために、
・初めに褒める 大切な自己肯定「今の自分でいいんだ」
・指示を控える 大切な自発的意思決定力

我々の
使命は、民間は親御さんや行政でできぬことをやる氏名がある
Education:能力を引き出すという語源




・障害者の能力開発 仕事はできると楽しい
Point1 仕事の与え方
単純化、パターン化、細分化
小さな成功体験、 いかに早く多く
そのための小さな目標設定
権限委譲で完結(ダブルチェックしない)「大和は我なり」
 障害者が障害者を教えている。
  健常者も障害者も、自分たちの仕事に不安を持っていた。

Point2 職域の開発
パン製造→接客応接
ネット通販→情報処理作業
きっかけは聾唖者のブラインドタッチ

・人は必要とされ伸びる
 被害者意識→当事者意識
   俺がやらなかったら、誰がやるんだ
 義務感→使命感




・企業のCSRとは夢中にさせること

モチベーションは最大の経営資源
やる気のないs能力は無用
もちべー0所んなき効率追求・政調戦略はありえない

社員の自己実現
仕事が喜び
成果主義で改ざんするもの
賃金テーブルで金しか動かない人間に
代わりはいくらでもいる会社にだれが居たいか




・たくましい・優しい というキーワード
一人でいきていくために
 まず一人でできる
 できなければ人を使ってしてもらう「たくましい」
 そして人から愛される心の「優しい」

障害者も健常者も人を介して業績を上げる事にかわりない
適材適所は管理者にとっても障害者にとっても健常者にとっても同じ

得意不得意は誰にでもある
 今の自分でいいんだ、という所からスタート
適材適所は無意識にしている
 してきたし、やってきたはず
障害者は不得意が顕在化しているだけ
健常者は不得意を隠す事ができるだけ

スワンの経営は
長所を活かして短所は仲間が助ける全員経営
複数名いればできる、長所の連鎖!!
  6人くらい居ればできるよ!!



ノーマライゼーション
人間ひとりひとりちがうから個性⇔特別視しない
日本には善意の差別がある。
 健常者は支える人 →助けてあげなきゃ支えてあげなきゃ
 障害者は支えてもらう人 →なんだか助けてもらえるんじゃないかな、と甘える

隔離教育の弊害




・障害者に望むこと
定時に出勤
笑顔で挨拶
人の悪口を言わない
これだけ。

 権利と義務はみな同じ
働いている以上、社長も障害者も健常者も同じ権利と義務
給料をもらう権利と対価分働く義務
 社員のパフォーマンスを上げるのがこっちの責任
 壁破ろうがなんだろうがOK!!

 大切な人の輪の和
長所の連鎖
組織で機能してこそ強み
一人の力は所詮一人




・障害者の能力を青天井で見る
きっかけは聾唖者のブラインドタッチ
健常者の時給の逆転現象 彼女はバリスタ
24時間オーブン稼働 夜勤の仕事で深夜手当

 できると思う事からさせてみる 能力を決めつけない

我々の照準は、最低賃金ではなく、最低賃金から能力給

「できるでしょうか??」「見てください」「やってます」
百聞は一見にしかず



・障害者主体のお店→野球型→サッカー型 →お客様主体のお店
 障害者の職場を作るのは簡単 ただ雇えばいい
 職場を作るのが目的ではない。 はお度ではなくソフト 魂が入っているか
 必要な売り上 画期ある職場で障害者の活力ある活躍が目的
健常者10人に障害者1人いれて
健常者9人にすれば生産性は落ちない



・障害者のしごとぶり
ラテアート(東京大会で銀賞(2位)だった)
チョークアート(パネルPOP)
環境への地域ボランティア(表に障害者が出ていく事が大事)

・親会社との連携事業
販路開発 企業様のロゴマークをプリント
低アレルギーケーキ(障害者はパッケージング・発送作業などを)
 「障害者が心を込めて作ったので買ってください!!!」というのが僕は大嫌い!
 Win-Winの取引が大事でしょ!!


大学とのインターンシップ
 学生の受け入れ・出張販売
 明治学院大学の学生さんがこれまで障害者を見た事が無かった!!
 明日の福祉を考える人たちが見た事が無かったので
  →ボランティアじゃやらないよ。カネ儲けなんだよ。
 ということで一日パンを売ったら16万円ちゃりんちゃりん

養護学校の先生の研修
 3日間で何がわかんの?→3か月きてもらったり。


・スワン10年目の挑戦
(健常者よりも時間給が高い障害者もいる)
在宅就労もやってる。
 ヤマトの伝票を作る作業→スワンの物流部に投げる
 TVチャンピオン準優勝「新幹線部門」なんていう

「健常者の仕事を障害者に分け与える」なんて有り得ない!!(生産性がおかしくなるでしょ)
障害者やめません、24時間パン焼いています、生産性落ちません。
そうすると仕事無くなりますね。
新しく仕事を作ります。作った仕事に障害者に入って貰う、という形でやってます。



・障害者ドラマへの制作協力
だいすき ゆずの子育て
のだめカンタービレ
読者が選ぶベスト10カフェ
  ←「障害者の店」扱いの紹介ではない!!!
  ウィンウィンの取引をこちとらやってんだ!

社会起業化 小倉昌男
ソーシャルベンチャーとして創業した宅急便と障害者雇用の融合


・社会にとって「あったらいいな」「してほしいこと」はできる人から

愛と勇気と正義
・愛は強制するアイ
・正義は勧善懲悪の理念
・勇気は諦めず実践していく勇気

私は必至で走り続けているんですよ4年間
俺はもっとできるぜ!っていう若い人たちがもっとでてきて
パクってもらって、実践して頂きたい!!!!!

マクドナルド社長「高齢化社会になって、人生一度は障害者やってから死ぬ社会になってきたんだよ」
障害者の問題は、蚊帳の外ではないんだよ。
人間の畸形率は2%
身近な問題なんだよ、ということを分かって頂ければ

障害者の会社経営は
人々の元気に直結する厳しいけれど暖かい活動であり、
絶対にあきらめず凛として人生に立ち向かう勇気を伝えていきます

ご清聴ありがとうございました!