『宇宙をプログラムする宇宙』/ 141444

『宇宙をプログラムする宇宙』という本を読んでいる途中なのだが、これがまた(最近の意識や意味やジーンやミームというキーワードと相まって)面白い。

 この本で、筆者ゼス・ロイドは「宇宙は巨大な量子コンピュータだ」と主張する。

 ではその量子コンピュータが計算しているものは何か?それは、自分自身、宇宙自信である。惑星の運動から、我々人間の行動から、何からなにまでを計算している。

 それも、量子力学的「不確定性」の中で。

 だから、未来をもし、この宇宙という量子コンピュータより早く計算しようと思ったら、宇宙より大きな量子コンピュータが必要だ。

 宇宙は、情報処理を行うコンピュータとして、『情報処理革命』を進めてきた。宇宙開闢の瞬間にそれが始まり、約40億年前には「生命の誕生」という情報処理革命を興した。

 生命の誕生が、情報処理革命だというのはどういう事だろうか?それを明らかにする為に、まず、『全ての物が情報である』という事を認めるべきだ。そして、「情報が物理的」である事も。

 考えてみれば、あなたのパソコンは、ケータイは、メモリ上のある物理的な状態として、0と1を一時的に記憶しているにすぎない。同じように、あなたの存在というのすら、特定の原子、特定の分子の秩序だった集まりにすぎない。人のゲノムには約60億ビットの情報を持ち、人は、生物はこの情報を処理(=後世に伝え)生きている。

 我々は、「情報」というと、それだけで何かしら意味をもつように感じる。だがそうではない。我々は情報を多くの場合意味と結び付けているにすぎない。例えば、日本語が分からない相手に、日本語で「明日会おう」という情報を伝えても、その意味と情報は結びつかない。

 「意味」は、情報という物理系(cf.文字、数字、単語、文…)と、別の物理系の「対応」にある(昨日の日記から引用するなら「同型対応」と表現すると良いだろうか)。

「オレンジ」という単語(情報)は、英語の「orange」と同型対応し、それは、我々が良く知っている果物であるところの柑橘類と対応する。


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小さい頃、宇宙の勉強がしたいと思っていた事を、不意に思い出した。