- 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」/82388

という本を読んだ。以下、そのエッセンスを例によってまとめる。

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<思考>
ゼロベース思考
仮説思考

 ゼロベース
既成の枠を取り外して考える。
顧客にとっての価値を考える。
「顧客に優しく」などの精神論は意味が無い。
<思考>→<実行>

 仮説思考
常にその時点での結論を持つ。
結論:アクションを起こせる具体的な結論。ー結論の仮説を。
ベストよりベターを実行。―スピードが大切
結論に導く背後の理由やメカニズムを考える。―理由の仮説を。
出した結論に対し、だから何、どうして?を繰り返す。
100の評論より、具体的な一つの結論が意味を持つ。
情報収集に時間を使いすぎるな。情報があればあるほど、思考量が落ちる。

<技術>
MECEとロジックツリー

 MECE(ミッシー;Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)
モレなく重複無く、問題を分析する。
モレによって的をはずしていないか?
ダブりによって効率を阻害していないか?
最後に【優先順位】をつけているか?
→全てをカバーした網羅的解決策は何も言っていないのと同じ。
MECEフレームワーク
3C+1C(Customer,Competitor,Company + Channel)
顧客、競合他社、自社 + 流通
市場の広がりをMECEに捉える為のフレームワーク
マーケティングの4P(Product,Price,Place,Promotion)
 ロジックツリー
限られた時間の中で広さ&深さを追求(するための「チェックリスト」)
広がりを押さえて的外れにならないように。深さを押さえてアクションに反映を
ツリーの描き方
パターン1:原因追求(Why)型。どうしてそうなるのかを切り口とする。
パターン2:解決策具体化(How)型。どうすればいいのかを切り口とする。
パターン3:その他。要素を分解型

ツリーの描き方のコツ
各レベルができるだけ<MECE>か
ツリーの末端が具体的原因や解決策となっているか
具体的な原因や解決策がロジックの因果関係で主題課題にリンクしているか

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・読後の感想
結局はツールが紹介されているにすぎない。その道具は非常に便利なものではあるが、使いこなすには「頭」が要る。<思考>編のゼロベース思考と仮説思考というのは思考というより「意識」。さらに意識した所で、ゼロベースにする事自体に「能力」が必要。仮説思考も思考力というよりは「意識」。こっちは意識があればなんとか「結論」にはもっていける気がする。

MECE」+「ロジックツリー」という。それはその通りなのだが、いかにMECE:“漏れなく重複なく”と言ったところで、いかにしてそれを実現するか、というのはその人の能力次第、という感じがする。
 例えば、「食品の衛生」

 以前読んだ「超MBA式」の本ではHow型ツリー、What型ツリー、あるいは「足し算」「掛け算」アプローチ のように、MECE+ロジックツリーの実現に多少寄与する話も書いてあったが、結局は能力次第。

 問題はその能力をいかにして涵養するか、という所にあるんじゃないだろうか。まあもっとも、ツールを使い続けることによって頭を鍛える、道具に慣れる、というのは一つ、ありだろうけれども。

 なにはともあれ、自分の頭で考える為にどうすればよいのか、具体的なアクションに結びつく提言(笑)が無いのはどうなのよ、という感じ。まあ頭を使う分苦労はするが、MECE+ロジックツリーは使える。便利。

 タイトルは問題解決プロフェッショナル「技術」が良いのでは。