「問題解決の全体観」中川邦夫著/173535

とても良かった。これは良かった。



pdfによる纏めはこちら:
http://mod.mods.jp/090101_problemsolving.pdf

◆新規性
・「問題解決」ベース
仕事に必要なスキルは数多あるが、仕事もプライベートも含め「問題解決」がベースにある事を力説。
その上で、問題解決の領域を


のように、ImproveOpportunityなどにも
繋げる事によって、「仕事に必要なスキル獲得」なども含めた
「すべて」の根幹にあるものである「問題解決」の「全体観」を示した書。

その構成は
ハード思考:[思考の型 × 思考のツール]
ソフト思考:[問題解決モード × 仕事の進め方]
となっています。

ハード思考については、それぞれ
空→雨→傘という基本の型や、
MECEなど思考の基本ツールを押さえた上で、
一段上の思考の型:解読→創案→評価→選択や、
応用的な思考のツールを網羅していきます。
思考のツールで特に心惹かれたのは「それ以外」という単純にして効果的な道具。
ロジックツリーで広がりを抑える際に、とりあえず思いついたものを「それ」として、
では「それ以外」は何か?と考えていくと、簡単に広さがカバーできるという方法です。

一方ソフト思考については、
「答えを探すのではなく創る」という取組姿勢、
「立ち位置を変え、フィルターを変え、見えにくいところへ視点を変える」というものの見方、
「直観力×論理力・センサー×メモリー×プロセッサー」で磨く頭の回路など3つの問題解決モードを提示し、
シゴトを「仕事」と「作業」に分解した上で、アタマを使う「仕事」を、
仕込⇒熟成⇒仕上の3ステップで行え、という「仕事の進め方」が提示されます。

そのような、「全体観」を体系立てて書かれているわけですが、著者はそれに甘んじる事無く
「明日からこの4アプローチの全てを使え」と言います。各アプローチごとに積み上げ式に極めようとするな、と。

本書の残念な所も正にそこの所で、本書は体系書であるが故に、「気軽に4アプローチを通して試せる」ようにはできていません。
だからこそ、「初級で手軽に4アプローチを使う習慣」を得た後に読み返すと、最も学びが多そうに思うのです。

そういうわけで、上下二分冊に渡るこの教科書を、眼の前の少し複雑な問題に即実行! 「練習用プロセス」に組みなおしてみました。

・プロセス「問題解決・初級編」


もちろん、コレ自体も、これで上手くいくかも?という「仮説」「仕込み」段階。
暫くするともう少し、リファインされているかも、しれません。


併せて読みたい:

ライト、ついてますか?ー問題発見のために
戦略「脳」を鍛える―現象をよく観る着眼点を学ぶ
イノベーションシンキングー横発想(水平思考力)を鍛えるのに




◆関連リンク:
http://www.zentaikan.jp/
http://www.a10.jp/index1.html

◆編集後記
正月は読書漬けでいきたい。
稀な休みを全力でインプット系|筋トレ系のスキルアップに繋げる。