カンブリアン・パーティ/172760


天才プログラマー・システムアーティスト・東京大学情報学環講師の、安斎利洋さんらがパナソニックホールで行った、カンブリアンパーティに行ってきた。

複雑系・人と人との創発・アート・IT・メディア。
そんなものが、渾然一体となった、なんとも不思議な「パーティ」であった。


中でも工学系の学生として心を惹かれたのは、
天才プログラマー・西野順二さんが提唱する「スキルトロニクス」という概念。

彼が「スキルトロニカル」にデザインした物体は、人の習熟を要求する。
人間に、工学がこれまで目指してきたように、便利さや、新境地を提供するのではなく、

人に、努力を、スキルを、習熟を要求する。
目標とする動作を、人間の「がんばり」によって達成しようとする。

その達成の為に努力を要求されるから、ひとがスキルを身につける。
面白いパラダイムだなと思った。

幸村真佐男先生ensohという「写真アート」も面白かった。

ensoh- 円相は、暗闇にて、光の写真を撮る。 その際にカメラを回し、円環状の光彩が写真のキャンパスに描かれるように回す。
機械ならぬ人の身では、完全なる円環は望むべくもない。だからこそ、味わいのある光の輪が、そのカメラの記憶メディアに灼き付く。


これなんて、実に、実に、風情がある。

ピントを合わせること、ブレないように気をつけること。
そんな写真とはまた違った、新しい、概念の創造。
それが、先生のハードディスクの中には、もう5TBも詰まっているとか。


こんな話が、
安斎さんのつくったカンブリアンというシステムの上で、創発の如く、湧いて出てきた。


このパーティは、なんだかいわゆる「講演」とはまったく違っていて、
なんだか雑談ベースで、上に述べたような話はむしろ、雑談のための火種のような感じで、


よくある講演のように、煽られる感じもしないのだけれど、
何か「即使える、有用な知識!」が得られたわけでもないのだけれど、

そこに新しい何かが生まれているようで、眠っているようで、
なにやら、なにやら、不思議な感覚だった。


連想―アナロジー―美―そんなものが、緩やかに繋がりつつ、それらはどこを指向するともなく、漂っていた、感じがした。


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