GTD:Getting Things Done―Mr.David Allen来日イベント/155353

GTD”という「スタイル」がある。
この「スタイル」に沿ってやれば、「やるべきこと」の全体像が見えて、
「あれもこれもやらなきゃ」というストレスから解放される。
David Allenさんという人が見つけ出したスタイルで、
今回の日記は、そのDavid Allenさん来日イベントに行って来たよ、という日記。

GTDというスタイルの身に着け方は
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0606/27/news003.html
Biz.ID「はじめてのGTD」のあたりに詳しいので、そちらを見てもらうとして、
ここではカンタンな概略と、その哲学について。

GTDスタイルのステップ(概略)はこんなかんじ。
1.頭の中の「気になること」全部を紙やメモ帳・PC上に吐き出す
2.それらを「次の行動」「やるべきプロジェクト」「いつかやる」リストに分類する。
3.すぐできる(2分以内)ことがあれば、すぐやる。
4.「次の行動」リストを実行する
5.ステップ1〜3を週1は行う。

GTDの基本的な哲学はコレだ!と僕が思うのは二つ
A:脳は、記憶用スペースじゃない。発想用スペースだ。だから、記憶用のスペースを脳の外に作って、そこに全てを貯めよう。
B:そして、今スグ(2分以内)にやれることは、今スグにやれ。

Aはどういう事かと言うと、
脳というのは、はっきり言って記憶に向いてないのだ。
むしろ、何かを発想するためのものだ、というのが根本。
その「発想」の為に、「あれもこれもしなきゃ」という「やるべきこと」を
頭の中に置いているという事自体が、ストレスになって、発想を妨げる。

これ以上懸案事項は無い!と言えるまで、全てを紙に書き出す。
その上で、「やるべきこと全てはこれだけです」となるまで、
具体的なアクションに細分化する。

そうすることで、ストレスフリーに仕事ができる、という思想だ。

Bの前に「重要・緊急」の話をしたい。
よく言われる「仕事術」では、仕事を4つに分類する。
1重要・緊急
2重要・緊急でない
3重要でない・緊急
4重要でない・緊急でない
この4つだ。そして、重要かつ緊急であるものから順番に仕事を進めていこう、というのがこの「重要・緊急」分類のキモである。

だが、David Allenによれば、
この分類をしても、「重要で、緊急でないもの」が処理されないまま
「重要で、緊急」に格上げされていき、
結局、常に、「重要かつ緊急」な仕事に追われる事に
(そして、重要だけど緊急じゃないタスクは放置されることに)
なるだけだ、という。
だから「2分で出来ちゃうことは、今すぐやれ」というのが組み込まれているのだ。


実は、日本でも20年前に「GTD」を提唱している人が居る。
「思考の整理学」などの著書のある外山滋比古さんだ。

思考の整理学では、
アイディアなどを一度、脳の外に出す。
そして、貯蔵しておける信頼出来る場所がある。
という状況を作ることで、思考が「寝かされて」「発酵する」という。
20年前にして、彼は、50冊以上もの「思考ノート」を持ち
「わが思考、全てこの中にあり、と思えば心地よい」と語っている。


さあ、そんなDavid Allen氏のイベントで面白かった2つの話は、
Q&Aコーナーで僕の聞いた「教育への応用事例」と
どなたかが聞いていた、「長期的ゴール」の話だった。

・教育への応用事例
いくら言っても、片付けをしない5歳の子供が居た。
GTD」を学んだ父親はふと思いついて、大きな箱を用意した。
「部屋の中の、所定の位置に無いものを、全て箱の中にぶち込むゲーム」を行った。
その後に、「あるべき場所に戻すゲーム」(=片付け)をさせた所、
進んでやるようになった。

子供にとって、「部屋全体の片付け」は、手に負えないほど膨大と感じていて、
それを、ひとところ=大きな箱 に一度集約する事で、
自分でもできる、と思えたのが要因だったのだろう。

このケースは、大人が学ぶべきことでもある。


・長期的ゴール
意欲を無くすための、最も簡単な方法は
「長期的に考える」事だ。だって、それは長期なんだから。


このような話を聞くことができた。