坂の上の雲/128155
坂の上の雲 1〜8読了。
明治政府樹立後から日露戦争終戦までを
秋山好古、秋山真之を軸に、正岡子規のスパイスを加え描ききった、非常に面白い本であった。
そのまことに小さな国の明治という開花期が、ために
「楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。」
と、司馬遼太郎は書くがしかし、
平成に生きる我々はまさに、坂の上の雲中にか霧中にか、入りこんでしまった。
富士の山は確かに高く、その峰は美しい。
その道中にあっては上のみを目指していればよかったが、頂上の雲中に至って、次はどこへ向かえば良いのであろうか?