「四角形の歴史」/88010

 以前、安斎利洋さんの薦めで、四角形の歴史という本を読んだ。表紙やハードカバーからくる重厚さ、かっちり感とは逆に、中身は絵本ですぐ読める。

 人間の世界には四角形があふれているが、自然界には殆ど無い。いやそもそも、直線の存在は人は何から想起したのだろうか、という事に想いを馳せさせてくれるような絵本。

 我々は「風景」という言葉を自然に使うが、風景が意識されたのは、世界を四角くキャンパスに区切り始めた後、キャンパスの“余白”を埋めるためだった。のかもしれない。という話がとても面白かった。

 最初の「余白」に「窓」という話があったが、回転体と直方体は、そういえば相性がよかったなあ、と思った。考えさせてくれるような「大人の絵本」だ。