SPEED HACKS 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術/84745

という本を読んだ。

以下エッセンス

・はじめに
「自分には時間がたっぷりある」と思わないこと。
分からないことがあれば人に聞け。
仕事をスピーディーにこなす「仕組み」とそれを動かす燃料:「やる気」の持続が大事。
方法論は実践してこそ。書いてあることをやりなさい。

・「取りかかる」ということ
タスクリストを作る。
後回しにしない為に:
時間が掛かりそうなら小さな単位の作業に分ける
手順がややこしそうなら手順ごとに作業を分ける
作業内容の分かる適切な名前に。
今日のうちにできる作業がないか確認する。
整理は最新のものから。
とりあえず「5分」やる。
仕事は「すぐ終わる仕事」と「時間の掛かる仕事」がある。
後者の手ごわい仕事がいくつかある時、そのそれぞれについて5分だけ考え、仕事の輪郭を掴む。
途中経過をこまめに報告しあう。
一人でできない仕事は「依頼」する。
依頼のタイミングを早く。
依頼の内容を明確に。「何を、いつまでに、どのように。」
依頼相手に心の準備をしてもらう。
終わっていない仕事を「終わった」事にすると、認知的不協和が生じて仕事に取り組むことがある。


・「段取り」を決めてスピードアップ
仕事には「段取り」と「実行」の二段階がある。
定期的にやる作業は手順をマニュアル化しておくと便利。
やったことの無い作業は「想像」→「実行」→「修正」
タスクリストは具体的に書け。
段取りを考えるのは比較的負荷が軽いので夕方の疲れた時間などに。
仕事は集中タスクと分散タスクを交互に入れよう。
集中タスク:企画書の作成、プレゼン資料の作成などまとまった時間が必要な仕事。
分散タスク:定型書類の記入、事務的なメール対応など、空いた時間に一気に片付けるべき仕事
あらかじめこれら二種類が交互に並ぶようスケジュールを組む。
作業内容は分単位で見積もれ。
一時間以上かかる作業があれば、より小さな作業に分解して分単位で仕事を割り当てよ。
→進捗状況が明確に。終了予測が立てられる。作業内容が明確になる。達成感が味わえる。
作業記録をつけよ。
作業記録は未来の作業のためにつける。
作業した日、作業名、作業の詳細(何をどのように)、所要時間を書く。
エクセルなどを使うといいよ。
時間計測は感覚に頼るな。
出来事が多いと長い時間が経ったように感じられる。
cf.行列の待ち時間が長く感じられるのは出来事が起こらないから少ない出来事の割りに長く待っているように感じる。
時間計測を正確にやると
自分の仕事をある種の鳥瞰可能。
仕事にかかる時間を正確に予測可能になる→ストレスが減る。
「ちょっとしたリスト」を作れ。
ちょっとしたリスト:ちょっとした記憶を要求する知識のリスト。
cf:各種手続きに必要な番号。よく使う消耗品の型番。ちょっとしたコツ。やりたい事。など

・「やる気」を引き出す
やると決めたことを他人に表明する。
→公約によってポジティブに自分を追い込む。
→公言する事によってやることが明確になる。
完璧主義をやめよ。
完璧主義:非現実的なゴール。
細かくできない、具体的に言い換えられないタスクは消す。
作業を細分化し、確実にこなせ。
処理すべきタスクにすぐ取り掛かれるようなリストが理想的。
小さくて確実にこなせるタスクを頻繁に書き入れ、処理し、消すリストを作れ。
タスクの名前
名前をきちんと考えていないようなタスクが先送りされやすい。
「いつ」「どのように」それをやるのか具体的に意識しろ。
初めからやる気が無いなら、タスクリストに入れてはいけない。
「言葉の力」を借りる
名言集やお気に入りの仕事術の本を読む。
やり方を換える。
「ほかにやり方は?」
「普段の半分の時間で終わらせるには?」


・時間をスライス
一日を複数のセクションに分割。
一日という時間は一度に把握できるサイズではない。そこで…
例えば、9-12, 12-15, 15-18のように3セクションに区切る。
その上で、有る仕事をどのセクションで終わらせるか思考する。
似た作業はまとめて同じ時間帯で。
例えば
情報収集か? アイディア整理か? メール記述か? 報告か?
同じグループの作業であれば、同じ頭の使い方をしていればいい。
どの時間帯にどのグループがよいかは「作業記録」から判断。所感を残せ。
小さな締め切りを設定する。
小作業ごとに掛かる時間を見積もって「締め切り」とする。
締め切りがあると自然とスピードアップする。
ズレが出れば次回以降修正をかける。
キッチンタイマーなどで強引に時間を切ってもいい。
オンラインで作業記録をつける。
SlimTimer(http://www.slimtimer.com)などを用い、時間を計られているという実感を。
作業記録から「反省」してみよう。
スケジュールを立てる際に、”波”を意識。


・環境
「モード」とは?
→ある課題を遂行するために、脳が一致団結している状態。cf:集中する「モード」
「やる気がおきないモード」は、不要情報をシャットアウトできない状態。
その打破の為に:
自分の置かれている状況を冷静に考える。
この仕事が終わらなければどうなるか、具体的に想像する。
環境を変えてモードを変えるのも一手段。
カフェを利用、図書館を利用、など。
自分のモードと環境の合致は大切。
「ご褒美」
マスを作って塗りつぶしていく。
「暗示」
自分は仕事が速い、と暗示をかける。
他人にそのように評価してもらう。
「雨の日」
雨の日にやることリストを作る。
締め切りはないがいつかやりたいことをその日にやる。
ひとつの仕事を終えれば席を離れる。
離れている間にも頭は動かし続ける。直前の作業の反芻をする。
もっとこうすれば。他の方法は?他の仕事に活かせる?
「寝かす時間」を意識的にはさむ。
「寝かす」事を意識したスケジューリングでアウトプットの質が大きく変わる。



・原則を決めて迷いを断つ
自分の仕事にとって核となる情報はひとつのフォルダに纏めよ。
GoogleDesktop検索は便利だよ。
メモは信頼のおける一箇所に限定せよ。
自分宛のメールで。
Gmailならアドレス+idea@gmail.comなどとしてフォルダ分け可能。
自分なりの書類整理方法を!
とにかく情報を一箇所に集める。
最新情報順に並べる。その書類を使ったら「最新」側へ置く。
仕事の流れを一本化しよう。
タスクをもれなくリストアップ→優先順位に従いソート→リストの上から漏れなく処理
タスクリストはできるだけ減らす努力をする。理想は一本化だが難しい。



・習慣は第二の天性
とにかく一ヶ月は続けよ。
何ができないかリスト化→一ヵ月後できるようになったことは?
脳内の「ロボット」
ロボット:自動化+小脳の「手続き的記憶」
自動化:身体運動を反復する事でほぼ無意識にできるようになった事。
cf.キーボードを打つ。鍵をかける。歩く。走る。自転車に乗る。
ロボットの鍛え方
とりあえず習慣的に繰り返す。
失敗など気にせず、いろいろな手順を試し、繰り返す。
同化と調和
自分主体でカスタマイズできるところまでやったら、後は自分を道具に合わせる。
ロボットには融通が利く。無駄なロボットは無い。
ロボットの難点。
ロボットにより「無意識」のように作業ができるようになると、注意力が欠ける。
例えば、熟練ドライバーが運転中に眠くなるが、初心者はそうではない。
仕事を「はっきりと区切る」
「やる気」は有限なので、いつ終わるか分からない仕事は無限のやる気を要するように見える。
他人と一緒に仕事をすると注意力が上がる。



・待ち時間を減らす
「考える作業」と「手を動かす作業」を分離する。
この二つを同時にやろうとすると作業効率が落ちる。
手を動かす前に、何をすべきか考えることが必要。l
メールを読み書きする時間を決めろ。
メールが来るたびに見ていると、メールを読む時間と、作業に復帰するまでの時間をロスする。
一日に2〜3回、メールを読み書きする為の時間を確保。それ以外は見ない。
休息をとった方が仕事のスピードを維持しやすい。
小さな仕事:10分やって2分休む。
大きな仕事:一時間やって30分流す。
短時間であれ集中して仕事に取り組み、そして休憩を取るスタイルはGood。
仕事からストレスを受けてもそれが大きくならないうちに、さっさと回復しよう。
必要の無い情報が目に入ってくると注意力散漫になる。
組織を挙げて取り組むことが必要(cf:邪魔しないで帽子を被る。残業を禁止する。)


・GOALまでたどり着こう
早めにコース全体を見積もり、いかに走るか考える時間を作る。
とりあえず一週して、二週目以降を楽にかつ速く走る。
未完成でも提出。
手をつけるタイミングが遅いと、打開策がどんどん減る。
仕事をいくつかのフェーズに分ける。
途中の段階で、未完成品を確認してもらう。
多少手間でも、コミュニケーションを増やしてスピードアップ・クオリティアップを同時に実現。
「分かったつもり」になっていないかを確認するステップを設ける。
仕事には、「完全に仕上げる仕事」「仕上げる為の準備の仕事」がある。
前者は手ごわいので、仕上げる為の準備の仕事に分割せよ。
仕事に対する姿勢がポジティブでないとだめ。
チームで仕事をする場合は、チーム全体で仕事の進め方、考え方をシェアしておかねば、不必要な憤りとストレスを生む。


・お役立ちToolz URL

必要なスケジュールだけ携帯メールに1時間前にアラートさせる。
Yahoo!カレンダー
http://calender.yahoo.co.jp/


ウェブ上で管理できるタスクリスト
チェックパッド
http://www.checkpad.jp/

(以上、59分でまとめ。/294pages)

読後の感想。
とりあえず長かったが、割となるほどと思える事もあったし、良かったのではないだろうか。以上にまとめてみると、要は

・計画を立てよ。
・スモールステップに分割。
・情報は一本化。
というのが段取りレベル。

・とりあえずやってみる。
・言葉の力を借りる。
・やると表明する。

というのが感情(やる気)レベルという感じか。
後は
うまく休憩を取ること、考えを寝かすこと。など。

この本で繰り返し出てきたのは、小さく具体的に分割という事だけれど、「高校生の勉強法」なんかでスモールステップ分割法、などと言われていたやつで、確かに作業を小さなステップに分けるというのは有用である、と思う。

 惜しむらくは、一般性を大切にしているせいで、具体性が失われている点か。
具体的なタスクリストの作り方「指南」のようなものがあってもいいな、と思った(Howto本的な)。