- バス/83150

今日のバスは、妙に早く、妙に運転が下手だ。

急発進に急ブレーキ。
まぁ、仕方がないか、と思っていたが、僕の降りる駅も近くのカーブ。
 減速もせず曲がるもんだから、年配のお爺さんが、大きくよろめいた。危ない!

 大丈夫ですか、と聞くも束の間。バスはスピードも下げず、カーブを曲がり切った。

 普段なら黙っているだろうのに、徹夜開けのせいだろうか。つい、「丁寧に運転してやってや!」と叫んだ。

 カーブの先はもう僕の降りるバス停。運転手はなにやら返事をしていたようだったけど。

 僕はバスを降りて歩く。運転手は僕をちらっと見て、また猛スピードで駆けていった。先ほどよろめいた老人を、また慣性の法則の餌食にして。