MBA生向け プレゼンテーション講座で話したよ

 

先日、MBA生に向けて、プレゼンテーション講座をやりました。

・どのように思考を構造化すればいいのか。ピラミッド原則を事例も交えて簡潔ながらわかりやすく!

・構造化された思考を、どのように階段状のストーリーとして語るべきなのか。

これらについて80分ほど講義をしました。講座後のフィードバックとしては、4.77/5だったので、なかなかの高評価ではないでしょうか。

 

スライドの枚数は多いですが、80分で話しきれる内容ですので、1スライド1メッセージがきちんとアタマに入ってくると思います。

 
それでは、講義資料はこちらからどうぞ。

経済学 Microeconomics の授業をしました

 

近況ですが、現在、シンガポール国立大学の方に留学しています。
MBAの学生に、経済学がわかる!授業をやりましたので、そのスライドの共有です。

 

前提としては、簡単な微分(高校1~2年生程度)がわかることを置いていますが、
それが分からなくても解ける・わかるようには作成してあります。
英語版ですが、複雑な英語は使えないので、そちらも平易です。

よろしければ、活用してみてください。

 

第一回は、主に価格弾性と需要供給、またそのシフトについて。

 

第二回は、主に競争市場と独占市場のメカニズムについてです。
 

(11/30追記)第三回は、ゲーム理論についてです。

 

 

物理数学を、文系社会人の方にもわかりやすくまとめました

ちょうど一年前に、友人たちにやった講座を一般公開します。
題して「物理数学マスタリー」

数式なんて怖い!関数ってなにかわからない!

という方におすすめの、物理・数学超入門コンテンツ。
是非ごらんください。

 

 

 

 

 

ワークシート等をダウンロードして、本格的に学びたい方は、

ryosukeishii.com

こちらからどうぞ(無料です)

 

投資対効果の極めて高い、プログラムなんて分からない人のための「単純作業自動化」入門

あるいは、正規表現+置換による、プログラミングができなくても単純なテキスト編集作業を強力に自動化する方法 
 
  • このTipsの概要

 このTipsでは「テキストを、強力に自動的に操作する方法」が得られます。

 自動化といっても、プログラミング言語に習熟するのは大変です。

そこで、プログラミングほど、習熟や利用に負荷が掛からず、かつ応用範囲が広い正規表現」と言われる書式と、テキストエディタなどに付属の「置換」機能を組み合わせたものを解説します。 

 

 

  • 具体的にできるようになること

たとえば「ネットから文章をテキストエディタにコピー&ペーストしたが、変な改行がたくさん入っているので、改行を手動で消す作業をたくさんしないと。」

とか

「ごはん、ご飯、御飯、ゴハン」と、いろんな書き方で書かれている「ごはん」を、全部「ご飯」という表記に統一したい

とか

Skypeからコピペしたら、発言者名がいっぱいついて、消すのが大変‥。でも、発言時刻が違うから一筋縄ではいかない...。」

とか

「ウェブサイトをつくっているが、画像ファイルのフォルダ名を変えたので、"/img"と書かれているものをすべて、"/image"という文字列に置き換えたい。手動で1000箇所やるのかと思うとぞっとする。けれど、地の文に書かれているimgは変えてはいけない...。

とか

 

さらには↓こんなリストの 

--------------- 

日付 金額 内容
1220 100 ジュース
1221 180 コーヒー
1222 260 交通費
1223 1000 募金
1224 18000 プレゼント 

--------------- 

「日付」の表記を↓こんなふうに変えたい 

---------------
日付 金額 内容
12/20 100 ジュース
12/21 180 コーヒー
12/22 260 交通費
12/23 1000 募金
12/24 18000 プレゼント
--------------- 

とか。
こういうことがラクちんにできるようになります。カンタンカンタン♪

 

例えば最後の日付の表記変更では、今回は5個なので、"/"を手動で入れていくことも不可能ではありませんが、この日付が100個も並んでいては、とてもやる気になれません。 

かといって、普通のWordなどにある「置換」機能では、毎日日付が違うため、マッチしません。もちろん上の例では、12月だけなので、"12"を"12/"に置き換えるという手もありますが、金額に12を含むものがあればアウトです。

こういった、ちょっと特殊な表記変更を簡単に行えるのが正規表現+置換機能です。 

 

こういった、単純だけれど置換1発で作業できるわけではない単純作業を、強力に自動化する方法に興味があるかたは、続きをどうぞ。

 

 

まず正規表現」に対応した「置換機能」を持つ、テキストエディタが必要です。たとえば「秀丸エディタ」などがおすすめです。 

 

以下、エディタ(ちょっとDreamweaverとかでは動作が違う。Microsoft Wordではかなり動作が違う)によって色々と対応している書式に差異があったり、ちょっと特殊なルールがあったりするのですが、今回は秀丸準拠で、良く使えそうなものに限定して話を進めます。 

Macのかたは、miとかcodaなどがよいのかな。

 

サルにもわかる正規表現入門」なども併せて参照して頂けますと、理解がしやすいかと思います。 

 

 

正規表現では「文字」を「抽象的に」捉えることで、柔軟に文章の検索や置換を可能にします。 

文字を抽象的に捉える、とは、例えば具体的な数字である、0や1を指定するのではなく、「\d(半角の円¥マークに、半角のd)」と書くことで「0,1,2...,9のいずれか」を表すということです。

 

これによって、例えば12/01/03も、11/05/25も、85/08/11も、「\d\d/\d\d/\d\d」と表現することができます。

 

以下、メタ文字(超文字)の例を示します。

.(ピリオド1つ)で、「任意の一文字」を表します。
\d あるいは [0-9]で、数字1文字を表します。
[a-z]で、アルファベット1文字を表します。

 

例えば、
検索ワード:..い(←ピリオド2つ+い) 
置換ワード:くろい
で置換すると 

-------------
あかい
しろい
あおい
みどり
けむい
さむい
------------ 

↑のようなリストが 

-------------
くろい
くろい
くろい
みどり
くろい
くろい
------------ 

のように、置換されます。 

 

 

  • メタ文字:繰り返しの*, +, ?, {n,m} 

抽象的に文章を捉えるには、さらに「繰り返し」でマッチすると便利です。繰り返しには4種類の方法があります。

*(アスタリスク)で、直前の文字の0回以上の繰り返しを表現します。
+で、直前の文字の1回以上の繰り返しを表現します。例;いた+ → いたたたたた...
?で、直前の文字があってもなくてもいいことを表現します。例:サーバー? →サーバー or サーバ
{n,m}で、n回以上m回以下の繰り返しを表現します。{n}でちょうどn回の繰り返しを表現します。 

 

たとえば、 

[0-9]{4}と書くと、0000,0123,1234,3513,7777など、4桁の数字がマッチします。
置換元:[0-9]{4} 
置換後:■★と書くと  

---------------
日付 金額 内容
1220 100 ジュース
1221 180 コーヒー
1222 260 交通費
1223 1000 募金
1224 18000 プレゼント
--------------- 

↑のような表が 

---------------
日付 金額 内容
■★  100 ジュース
■★  180 コーヒー
■★  260 交通費
■★  ■★ 募金
■★ ■★0 プレゼント
--------------- 

このように置き換えられます。数字4桁でマッチするため、最後の2行では「金額」も反応してしまっているのがポイントです。

 

 

改行や、タブ区切りなどを表現するための特殊な記号が割り当てられています。 (次の2つはC言語などでもおなじみですね) 

改行:\n
タブ区切り:\t
文の頭:^
文末:$ 

 たとえば 

^1223\t 

で検索すると、文頭すぐに1223があって、直後にタブがついているもののみヒットする、ということになります。 

 

また、
検索:\n\n
置換:\n
で置換を行うと、改行が2つ入っているものを、1つにまとめる事ができるため 

 

こんなふう↓ に 

--------------- 

一行目テキスト 

 

二行目テキスト 

 

三行目テキスト 

 

四行目テキスト 

--------------- 

改行がたくさん入っているテキストを 

こんなふう↓ に 

---------------
一行目テキスト
二行目テキスト
三行目テキスト
四行目テキスト
--------------- 

改行を詰めることができます。 

ちなみにこれを、

検索:\n
置換: (置換後は無し)
で置き換えると、 

 ---------------  

一行目テキスト二行目テキスト三行目テキスト四行目テキスト
--------------- 

のように、文章からひとつも改行がなくなってしまいます。

 


また、
検索:\t
置換:, 

のようにすると、タブ区切りのファイルを、カンマ区切りに変える事ができます。 

 

  • グループ化+タグ:(), \1, \2, \3 

最後に、こちらが非常に強力なのですが()によるグループ化と、\1, \2, \3によるタグづけです。

 

例えば 

---------------
日付 金額 内容
1220 100 ジュース
1221 180 コーヒー
1222 260 交通費
1223 1000 募金
1224 18000 プレゼント
--------------- 

日付の表記を↓こんなふうに変えたい

---------------
日付 金額 内容
12/20 100 ジュース
12/21 180 コーヒー
12/22 260 交通費
12/23 1000 募金
12/24 18000 プレゼント 

--------------- 

という例で、作戦をたててみましょう。 

 

作戦 :

1220, 1221などの日付を、12と20, 12と21というように2桁づつバラして、それらの間に/(スラッシュ)を入れる事ができればよい、ということになります。 

 

[0-9]{2}は、01,02,11,13,99など、2桁の数値を表すのでした。これを()でくくると
([0-9]{2})というグループになります。 

 

さらに、いま、4桁の数字が2桁づつ欲しいので
([0-9]{2})([0-9]{2})
とすると、1220や1221に2桁づつマッチすることになります。 

 

しかし、これでは、12/23の所の、募金額の1000円にもマッチしてしまいます。
そこで、日付が改行の直後(あるいは文頭)にきていることに注目して改行の特殊文字\nと組み合わせると 

\n([0-9]{2})([0-9]{2}):改行後すぐに存在する2桁+2桁の数値 にマッチする事になります。

 

ここで、タグづけという方法を紹介します。 

実は、検索ワードを、(AAA)(BBB)(CCC)(DEF)(GHI)(012)というようにそれぞれ区切ると、 

文頭から順番に 

(AAA)を\1
(BBB)を\2
(CCC)を\3 

というように、順番にタグづけする事ができます。 要は、\1, \2, \3を検索語のキーワードとして使えば、n番目の()の中身を保存でき呼び出せる、ということです。

 

そのため、
\n([0-9]{2})([0-9]{2})
では、 

最初の2桁の数字(1224の12部分)は\1で、
最後の2桁の数字(1224の24部分)は\2で、
表すことができると言う事になります。 

 

従って
検索ワード:\n([0-9]{2})([0-9]{2})
置換ワード:\n\1■\2 

と書くと 

1220
1221
1222 

などが 

12■20
12■21
12■22 

のように置き換えられます。 

 

当初の欲しかった結果は
検索ワード:\n([0-9]{2})([0-9]{2})
置換ワード:\n\1/\2
のように入力すると 

 

このTab区切りのリストが 

 

--------------- 
日付 金額 内容 
1220 100 ジュース 
1221 180 コーヒー 
1222 260 交通費 
1223 1000 募金 
1224 18000 プレゼント 
--------------- 

日付の表記を↓こんなふうに

--------------- 
日付 金額 内容 
12/20 100 ジュース 
12/21 180 コーヒー 
12/22 260 交通費 
12/23 1000 募金 
12/24 18000 プレゼント 

--------------- 

 変えることができます。

(ちなみにDreamweaverなどでは\1, \2の代わりに$1, $2で使えます。) 

 

他にも
こちらのページなどに、詳しい記法が載っています。 

 

 

  • さらに、さらに、マクロの記録と保存!

秀丸では、こういった処理を連続的に行うものを「マクロの記録→保存」で簡単なスクリプトとして保存することができます。 

少し勉強すれば、スクリプトも編集する事ができるようになるため、超強力な自動化が可能になります。

 

  • まとめ
  1. 正規表現+置換を使うと、強力に文章の整形作業などがラクになる。
  2. 秀丸エディタ(Win)」「 mi / coda (Mac)」がおすすめ。
  3. .,\d,[0-9]などメタ文字で数字や文字を抽象的に捉えてみよう
  4. *, +, ?, {n,m} で繰り返しに強くなろう
  5. \n, \tなど特殊文字で、普段は検索/置換できない改行やタブを捉えてみよう
  6. (), \1, \2 などで、グループ化とタグづけを使いこなそう
  7. マクロを記録すると、強力なので応用編はそちら。

 

ちなみに、ひとつだけ。
この正規表現、 はじめにプログラミングではないと言いましたが「宣言型言語」という、処理対象の性質を記述することで処理する、一種のプログラミングです。

 

ほんの少しの学ぶコスト(特殊な文字を幾つか覚える)ことと、抽象的に文章を捉えることに習熟する(頭を鍛える訓練にもなります)ことで、単純作業を劇的に効率化できます。

 

ぜひ、試してみてください。

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論理的に考えるとはどういうことか|ロジカルシンキングことはじめ

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卒業研究のすすめかた

 

あざやかに生きる

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とあるドラマの中で「あざやかな態度」と置かれているという。

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僕らはいかに、あざやかに生きることができようか。

 

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彼は、担当の役員を飛び越え、直接社長とコミュニケーションをとった。異例のことだし、後で担当役員からはもちろん、方々から非難されたという。

けれど、と彼は言う。別にそれで、受注が獲れなくてもいい。非難されるのは覚悟しているから、それでいい。担当役員の「値引きを飲ませた」という評価のために仕事をしていない。だから、社長の真意を知る必要がある。クライアント企業の未来をつくるために、やっている。クライアントの未来のための仕事にならないなら、そもそもやらなくていい。

この生きかたは、あざやかだ、と僕には想える。約束するものがあれば、目先の評価も、自分の相手への見え方も、気にならなくなる。それで何かがブレるようでは、約束を違えることになってしまうから。

コミットメントのある人生は、うまくコミットメントをやり過ごす人生にくらべると、大変な人生になるだろう。だけど、コミットするものの無い人生を、僕は生きなくていい。

そして、コミットメントは実のところ、相手への約束というよりも、何のために自分は生きるか、という自分自身への約束に他ならない。

 

  • 気がつけばそこに、コミットメント

あるNPOの代表理事と食事をした際、リーダーシップについて色々と質問をうけた。イキゴトという会社を僕は、社長の五味勇人や仲間たちとはじめた。そして僕は、彼をリーダーだと思っている。その五味勇人にあるリーダーシップとはなにか。そんな質問を、彼女自身よりよいリーダーになりたいと思って、聞いてくれたのだった。

 「イキゴトの社長が、リーダーとして相応しい何かがあるとする。では、そのスキルやマインドを超える誰かが居たとして、僕は他人に乗り換えるんだろうか。」 こういった問いに思い至った時、しっくりと腑に落ちた。コミットメントに、そのとき気づいた。自覚的になった。

 「彼に何かがあるから」ではなく、僕が彼にコミットしていたがゆえに、彼は僕のリーダーなのだと。だから、僕は彼との関係において、「彼がリーダーであることへのイニシアティブ」をとっていることになる。ゆえに、僕はそのことに対して責任がある。

 コミットメントは、気づかないうちに育っている。よいタイミングで、よい問いに出逢うと、自分の中からすとんと、釣り上げることができる。

 

  • 無自覚なまま、コミットメント

人生で、実はコミットしていたものに無自覚なままでいることは不幸だ。

かつてジェームズ・C・アベグレンは「日本の経営」の中で日本人の会社組織への属し方を“Lifetime Commitment”と洞察した。「終身雇用」と誤訳されたそれは、古い悪弊のように呼ばれたが、それはまさしくライフタイム・コミットメント。生涯を通じたコミットメントー忠誠ーだったのだろう。

 Commitmentとは、約束。そして誓い。コミットするからには、それを果たす責任が生じる。「ともに、未来をつくる」という約束を忘れ、コミットメントに無自覚になったLifetime Commitmentは、たしかに、確かに、既得権益を含意する「終身雇用」に堕しただろう。それは、企業と人との関係のみならず。自分自身へも同じことで。知らず知らずのうちに、いったい何を自分に約束して生きていたのか。

 

  • ひらめきを確信に変える

「責任」と訳語を当てられているResposibilityとは、本来はレスポンス。応答可能性のことだという。「責任をとって辞める」というこの国にありがちな光景とは意を異に、対話をやめない姿勢こそ、Respons-ibilityがあるのだと。

きっと、Responseを続けることで、Commitmentは育つのだと思う。

 この4月に、東京大学の福武ホールで「社会とナンセンスの交差点」と題したカフェイベントを、企画者のひとりとして実施した。「明和電機」というアートユニットの 「代表取締役社長」土佐信道氏がゲストだった。オタマトーンという「おたまじゃくし型おもちゃ」の開発に彼は「おたまじゃくし型」とひらめいてから1年かけて、アイディアをかたちに、かたちを世の中におくり出し、結果14万台以上が売れたという。

 ふつうのひとは、ただの「ひらめき」に1年間も取り組めない。「なぜ取り組めたのですか」と訊いたときに、彼は言った。最初のアイディアは、不安だらけ、不確定だらけ。だから。「ひらめきを、確信に変える仕事」をするのだという。スケッチを何百と描いて、何百と捨てて。様々な情報を調べて、そしてひとに話を聞きに行く。 

自己と他者、自分と書物、わたしとメモ。そういったResponseの応酬が、コミットメントを育んでいくんだろう。

 

  • 合縁奇縁、プロメテウスのくれた火

友人がある日、こんなことばをくれた。
「恋人もそうですが、現状のパートナーのステイタスを超える人が現れた場合に、じゃあ他人に乗り換えるだろうか?と考えた時にもコミットメントと言えるかもしれないですよね。でも、結局そのコミットメントの発生理由は偶然そばにいたとかの理由が多い。僕はだから常々、偶然を祝福しないと人生は生きてらんないと思っています。」 

彼が洞察したように、コミットメントの火種は偶然。「ひらめき」に近いなにか。その火種を育て、確信へと煽るResponsibilityは風。火種は、自己との、他者との、外の世界との対話によって育まれ、いつしか自覚できる大きさにまで、燃える。

なにかにきちんとResponseするためには、きっとこころが開かれていないといけない。賛同も批判も受け止めて、そして現実と向きあう懐のふかさ。コミットメントはだから、固執することとは真逆のことなのだ、と思う。
 
  • いのちを燃やして生きる
東北に、津波の被害を受けた地域で、防潮林再生のプロジェクトに関わっている友人がいる。「亘理 グリーンベルト プロジェクト」という、宮城県亘理町の沿岸部一帯で、防潮林再生・農業再生を一体的に行うためのプロジェクトだ。
先日、某社の京都支社長とふたりで彼の拠点に訪れて、12時間に及ぶ、彼のミッション・ビジョンを炙り出すコンサルティングを行った。
 ひと通り、壊滅した海岸を案内してもらって、彼の母の働く料理店でご飯を食べて。事務所に戻って、訥々と彼は語り始めた。
彼は「火を見たい」と言った。東北にあるこの閉塞感をひっくり返したい。ひとが、自らの願う未来に挑戦できるような空気をつくりたい。個人の中にあるちいさな火が、ひとに移り、連鎖的に燃え広がるような、そんな火を見たいのだと。
 Responseの中で、火種を育てること。育った火に気づいて、自覚的なCommitmentとすること。その熱はひとに伝播し、ひとはその熱に感化され。あなたの見たい火は、このあざやかな篝火ではないですか。あなたもそれを、心のどこか知っていたから、すべてが混沌となってその後、まちのひとと対話(Response)をはじめることからスタートしたんじゃないですか。 
 
  • 綺麗事を、綺麗にやる。
こんなことは、もしかすると綺麗事だ。
現実というものはむしろ逆で、”Justice”を求めて迫ってくる。何かを為したい時、わたしにコミットメントが無いとして、果たしてそれは破綻する。人は人が信じているものにこそ影響を受けるから。"Justice"なきところにフォロワーはつかない。そして、ひとりでできる事は限られている。
 
「綺麗事を、綺麗にやろう」
 僕の師である起業家が、言葉、そして生き様でくれたメッセージだ。きれいごとを、きれいに。そんな風に、生きてみようと思っている。僕らのこの小さな会社は、そのちいさな実験場になればいい。
 偶然の火種を祝福しよう。扉を開けて、火種に風を入れよう。育った火を掲げよう。
そんな生きかたで生きた瞬間があったなら、いのちを燃やして生きた、と思える。
 
それはきっと、あざやかな記憶をつくるだろう。
 
 
------------
 

 

併せて読みたい:

よい仕事をするために