The first entry / Remember Hatena.

はてなBlogの、位置づけが決まらない。
  • 思えば、最初に使ってみたBlogは、はてなDiaryだった。受験生の頃Livedoor Blogに一時期浮気して、浪人生でまたはてなに戻ってきたのだった。「はてな」高校生の頃の自分に、不思議に心地よい名前だった。はてな。 独特の記法にも親しんだし、アカウントも2つ、3つ持っていた。ひとつはBlog、ひとつは集めたネタの保管庫として。2004年の初期だったと思う。確か、Blogを、始めたのは。
 
  • 2009年が終わると、Blogと疎遠になった。当時のmixi, Twitter, freedom-SNSなど、競合サービスでの人とのやり取りは楽しくて、Blogよりも優れた読み手は、はてなではないどこかに居た。いつのまにか、Blogに何を書けばいいのか、わからなくなってしまった。一時期やっていた本のレビューもやらなくなった。良い記事を書けば、ソーシャルブックマークはプレビュー数を集めたが、そこから人間関係が産まれていくことは無かった。
  • 人間関係といえば、浪人生の頃、単身上京して浪人した。駿台生だった。一人暮らしで、駿台寮でも無かった僕に、最初にできた友達は、僕のBlogを読んでいて、話しかけてくれた人だった。彼と何度かご飯に行って、他の友だちとも仲良くなって、気づけば彼とは疎遠になっていて、彼は駿台から居なくなってしまっていたけれど。
  • もう、その時の気持ちを正確には思い出せないのだけれど、そこには希望があった、ような。Blogを書くことで何かが起こるような、そんな感じがしていた。はてなの製本サービスで、いずれ自分のBlogが本になればいいなと思っていた。はてなは、僕らに何がしかの未来をみせてくれたのだと思う。オンライン上で知り合いだった誰もが、Blogを始め「テキストサイト」がBlogに次々と、駆逐されていった。すくなくとも、そのように見えた。 
 
  • いつのまにか、Blogは乱立しながら勢力を伸ばし、アメブロは芸能人に舵を切った一方、はてなは2005年「はてなブックマーク」をリリースして、それが人口に膾炙しはじめてから、吹き溜まりになった。記事の書き手の「目に付くが削除できない」聖域で、100文字以内の罵倒が日常茶飯事になった。「みんなで、いいものを掘り起こそう」と始まったはずの、はてなブックマークが戦場になっても、はてなは静観を決め込んだ。はてなは書き手にとって、居心地の良い場所でなくなっていった。はてなブックマークが集まると嬉しい。でも、ブックマークで変なコメントがあつまるのも怖い。これが戦略的なダブルバインドの設計であれば驚嘆する。
  • はてなはだから、僕にとっては既に終わった場所だった。気に入っていたけれど、飽きてしまった玩具をなかなか手放せないように、そこにログがあるから残っている。まとまったものを「他でも」書く時に「ついでに」そこに投げておきたくなる。もう、そのくらいの場所に過ぎなくなってしまった。
 
  • 新しいはてなが見せてくれる未来は、あるんだろうか。Ulog( ulog.cc )のデザインは洗練されていないけれど、未来の一端を垣間見れる。そんな未来が見れるなら、もうちょっとだけBlogに夢を、みていたい。