みらい05―『セクシー・プロジェクトで差をつけろ!』トム・ピーターズ著/212188

『私は凄い事をやりたかったが、上司がやらせてくれなかった。』
こんな墓碑銘を刻まなくてもすむように!

『セクシー・プロジェクトで差をつけろ!』トム・ピーターズ著

を読んだ。

原題は「THE PROJECT50: Fifty Ways to Transform Every "Task" into a Project That Matters!」(50のプロジェクト―日々の「業務」を凄い! プロジェクトへ変える50の方法)。

本書が我々を導くのは、「すごい!きれい!革命的!インパクト!熱狂的ファン続出!」なプロジェクトの創出だ。

プロジェクトとは、はじめがあって、おわりがあって、お客さんとの約束を果たすこと。
プロジェクトとは、生きた証。10年後にも自慢できるような、凄い事をやろう。

もちろん、どんなに頑張っても、超人的な努力をしても、実現できない夢はある。
しかし、夢を描き、その夢を実現するために、持てるかぎりの智力、体力、気力を振り絞らない限り、人間が鍛えられず、絶望の味も歓喜の味も知らず、心も生活も豊かにならぬまま人生を終えることになる。
要するに、やってみなければ、できるかどうかはわからない。な、そうだろ?
(p23)

私が言いたいことは、次の二点に尽きる。
(1)やってみなければ、できるかどうかわからない。
(2)すごいことをやってみたいと思わなければ、すごいことは何もできない。
 (中略)
「いまやらないで、いつやるんです?」
 私だって、大きな会社で働いていたことがある。お偉いさんにたてつくことがいかに恐ろしいか、よく知っている。しかし……さはさりながら……自分の人生は、自分で生きるしかないのである。十五年もすれば、すごい仕事、あるいは、すごいことをやろうとして失敗した仕事しか憶えていない。六〇歳になって人生を振り返ったとき、自分が何をしてきたか、何も憶えていないというのは、悲しすぎる。みじめすぎる。

本書は、凄いことを。凄いプロジェクトを。冷静な情熱でやり抜く為の指南書である。
五〇のアイディア、五〇の心構えが記され、それらは4つの章からなる。

すなわち、
1.創造―プロジェクトの企画。しびれるほどカッコイイ企画を立てる。それは、やる価値があるか?ほんとうに凄いプロジェクトか?
2.売込―迫力と信念で、まずはメンバーに、次に上司に、そしてお客さんに売り込まなければならない。
3.実行―ユーザを集め、大急ぎで試す。試して考え、考えて試し、修正する。試作に狂え!チームに勢いをつけ、噂の的になる。そして、一生自慢できるような、素晴らしい結果を出す。
4.退場―そして、立ち去る。成し遂げたプロジェクトが、一発花火で終わらず社内に根付くよう、主流の人間にバトンタッチしてしずかに立ち去る。

以上の4章から。
これだけでも、もう、ワクワクしてしまう。

■本書を読む以前であったが、
09/05/27-09/06/14の18日間で、「国語の教材を作る」というプロジェクトをやった。
奇しくも私は、プロジェクトの計画を立てた時、いつものやり方を踏襲して「普通の素晴らしい教材」をつくる自分たちが目に浮かんだ。

フツーに真剣につくり、フツーに優れた教材ができあがる。そんな光景が。

人間には、進歩がないといけない。
誰も掲げなかった高い目標を掲げよう。
未だこの世に無いものを作ろう。素晴らしいものを作ろう。
創ったものを、これまで試した事のないやり方で、顧客に届けよう。

そんな経緯から、
プロジェクト名を、「Step Forward!〜一歩前へ!〜」とした。
たった一歩でもいい。これまでの踏襲をやめ、前へ出ること。

・教材自体を、一歩前へ! 他の塾や家庭教師団体が創れないモノへ。本当に結果の出るモノへ。
・売り込みを、一歩前へ! 顧客に期待をさせ、意欲を煽り、約束を守る。
・販売を、一歩前へ! 売り方を変える。期日を限定する。浮いた余力を、サポートへ回す

こんな、目標を立てた。

理想は高く、現実は厳しく。
全てが予定通りにはいかなかった。徹夜の日も何日かあった。
しかし、これまでよりも【一歩先】の結果が出せた。

全ての始まりはたぶんはじめに、
「これまで、に甘んじない!」と思ったこと。

さあ、
「凄い」事を企もう。
「凄い」事へ巻き込もう。
「凄い」事をやろう!