読自祭 #2 〜来月も読みたくなるストーリー構成術〜 /183134


読自祭 #2 〜来月も読みたくなるストーリー構成術〜
というタイトルだが、今回の題材は「少女マンガ」それも「なかよし 4月号」で行った。
資料はこちら:

「少女マンガ」というと、もしかすると「子供っぽい」「幼稚」「つまらない」と食わず嫌いをされる向きもあるかもしれない。

しかし、少女マンガ界という一大産業の中で、熾烈な競争を潜り抜け、
ネット・テレビ・ケータイという「人の興味を奪い合う市場」での競合との戦いに勝利し続けて
毎月の読者を獲得し続けてきた、漫画家達の「ストーリー構成法」には、
刮目すべき何かが存在していると仮定してさしつかえない。

それが、計算づくであろうが、暗黙知としてそういうストーリーが構成しているかはさておき、
おそらくそこには「来月も読みたい!」と読者に感じさせる何かが詰まっているはずだ。

今回、「情動」に注目して、
「なかよし」を読み解いたところ、驚くべき共通項が見つかった。

今月号の「なかよし」に連載されているのは:

タイトル名 ページ数
ボーイフレンド 42
しゅごキャラ! 30
どきどき!たまタン 32
ARISA 37
フレッシュプリキュア 10
妖界ナビ・ルナ 26
こどもじゃないから! 36
新・地獄少女 35
小川とゆかいな斉藤たち 32
サファイア リボンの騎士 40
マジカルダンス!! 26
AAA 38

12作品・400ページ。
このうち、はじめの4作品について、
ページ数を8分割して、
・希望側:たのしい・うれしい・おもしろい
・絶望側:シリアス・かなしい・怒り

この「ふれはば」を読んだ。

どの作品も、ページ数のはじめの半分を使って
シリアスに・楽しさに、シーンの感情を揺さぶり、
そうして、希望側か絶望側かへ、大きく収束していくのがわかる。


「来月も」読んで貰うためのストーリーを構成する術は、
『揺さぶりと、収束』これに尽きる。