ラクラク学力を上げる、3つの秘訣/161735

わが母校の六甲高校へ寄稿。
後輩たちへのメッセージですが、使える部分もあると思いますので共有を。


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【ラクラク学力を上げる、3つの秘訣】

 高校生のみなさん、こんにちは。あるいは、お久しぶりです。2007年に、教育実習で皆さんに物理を教えた石井です。伯友会の先輩から、この記事が高校生にも配られているという話をお聞きし「折角だから私も」と筆を執った次第です。
 私は現在、東京大学工学部の4年生で、先端科学技術研究所というところに居ます。研究をしながら、小学生とその保護者に「勉強方法」を教え、視野を広げてもらうという会社を立ち上げました。興味関心が無いことを詰め込まれて潰れていく中学受験ではなく、効率良く学ぶ事で、ワクワクして、さらに成果が出るような中学受験を実現しようという社会起業の一環です。
 また、普段から人と会うのが好きで、六甲の諸先輩方をはじめ、社会で活躍される超一流の大人の方々とお会いし、たくさんの有意義なお話を聞いてきました。
 今回はそんな体験から、これまで教えた生徒に、共に会社を経営し・共に学ぶ友人の東大生に、そしてお話をお聞きした超一流の大人の方々に学ぶ、『ラクラク学力を上げる、3つの秘訣』をお話したいと思います。これを利用して、志望校にバンバン合格して下さいね(笑)

◆秘訣1:焦点が成長にある。
 一日勉強をした後、振り返りをしていますか?もしやっていないなら、是非今日から始めてください。「今日、学んだ事は何ですか?」「今日、身につけた事は何ですか?」この2つの問いに、毎日答えて下さい。
 「今日【やったこと】」を答えるのは簡単です。例えば、「参考書のp30〜p45まで読んだ」とか、「数学の問題を4問解いた」とか。しかし、勉強をする以上、大切なのは何をどれだけこなしたかではなく、何をどれだけ身につけたかということです。
 焦点を、やった事ではなく「学んだ事・身につけた事」にあてること。これが第一の秘訣です。効率の悪い勉強をしている人は、やった事は書けても、学んだ事は書けないものです。やろうとしてみると、驚くほど学んでいない自分に気付くはずです。一日の終りに、紙を一枚用意して「今日学んだ事はなんだろうか」と書き出して下さい。それはその日一日の復習になるし、次の日見返すと、また新たな発見があるものです。

◆秘訣2:アウトプットを目標にする。
全ての勉強において、能力を身につけるプロセスにおいて、能動>受動の関係があります。例えば、 自分が書ける(能動)英語の文章は、読める(受動)・自分が話せる(能動)質と速度と量の英語は、聴き取れる(受動)。ということです。例えば、自分が教えられる問題は、解ける。ということです。言ってみれば当たり前ですね。
そして、能動的である為には、「アウトプット」することが最良の方法です。
アウトプットとは、口に出したり、手足を動かしたり、紙やブログに書いたり、発表したり、発言したり、 思い出したり、問題を解いたりすること、すなわち、頭の中から外へ「出す」ことです。対照に、インプットとは、見たり、聞いたり、読んだり、授業を受けたりすることすなわち、外から何か情報を中に「入れる」ことです。
ここからが秘訣ですが、賢い人は、【インプットしながらアウトプットをして】います。
例えば単語帳を普通の人と同じように眺めているように見えても、 「word・言葉・word・言葉・word・言葉」と、頭の中で繰り返し「アウトプット」をしています。
傍から見れば「なんでそんな速く覚えられるの?」と不思議に感じます。しかし、本人は自分が使っている方法は当たり前で普通だと思っているので「いや、普通に覚えようとしたら覚えられる」なんて返事が返ってきます。
例えば数学の授業を受けながら、「自分でもゼロから問題を解けるだろうか」と、ちょくちょくアウトプットをして確認をしながら授業を受けています。だから、そういう人は、授業中「先生そこ間違っていませんか?」と指摘できるのです。また、同じ授業を受けていても、ただインプットしかしていない人よりも、はるかに、はるかに深く、理解します。

◆秘訣3:意志ではなく、環境を変える
 皆さんも、もう何度となく誘惑を断つ「決意」をした事があると思います。大抵の決意は3日で潰えます。というのは、僕らよりも遙かに深く「人間とは何か」を考え抜いた大人たちが、「いかにしてあなたを誘惑するか」を死ぬ気で考えて、現在の製品やサービスが生まれているからです。そんなものに勝てるほど、僕らの意志は強くありません。では、そこで、どうするか?「環境の改善」というのが答えです。
 もしあなたがゲーム大好きであれば、目の前にニンテンドーDSがあって、勉強できるわけがありません。そこで「もうやらないと決意」した時に、一緒に「行動」を取りましょう。例えば:充電器とカートリッジと本体を、別々の場所に置く。特に薄いカートリッジは、取りだしにくい隙間へ。本体は箱にしまって、箱の上からガムテープでグルグル巻きに(笑)
 もしあなたが、メールが大好きであれば、ケータイが目の前にあっては勉強ができません。そこで、毎日「家にケータイを放置」して、近くのカフェや、図書館や、自習室に出かけましょう。
 どちらも原始的な手段です。ですが、心を鍛えるより、ずいぶんと現実的です。

◆まとめ
 これまで、成長・アウトプット・環境改善という3つの秘訣をお話してきました。どの方法も、誰でもできる簡単な事です。簡単ですが、実行するとしないとでは、間違いなく雲泥の差がつきます。是非、今日から実行してください。
 何か質問やアドバイスの希望があればメールを頂ければ、きっと皆さんの力になります。また、http://d.hatena.ne.jp/starbow/ にて色々な教育関連の記事を書いていますので何かの参考になるかもしれません。それでは志望校への道を、切り開いて下さい!