誰が何を必要とするか/122837

東京大学には、ジュニア・ティーチング・アシスタントという制度がある。
その制度を利用して、わが精密工学科の広報戦略のアドバイザーをする事になった。

http://www.pe.t.u-tokyo.ac.jp/ug/

まずこういった宣伝をする時に、大切なのはビジョンであると思う。
何の為に宣伝したいのか、というビジョンだ。

それは、学科に学生を呼び集める為だろう。
では、どんな学生が欲しいのか?
もちろん「優秀」な学生が欲しいのだろうけれど、その「優秀さ」とは、いったい何を切り口にしたものなのか?
成績だろうか?コミュニケーション能力だろうか?根性だろうか?


次に必要なのは、そのターゲットに対し「歩み寄る」事であると思う。
教授たちは、多くの学修を積み、見識を持っている。従って、学生たちに伝えたいメッセージは数限りがない。
だが、残念な事に、学科選びを行う学生達の多くは、そのようなメッセージを必要とはしていない。
彼らが必要としているのは

 ・どんな学科なの?何が学べ、何が身に付くの?雰囲気は?
 ・他の学科との違いは?
 ・将来は?院や就職については?
 ・どんな研究ができるの?
 ・底点は何点くらいになりそうなの?

といった情報であると思う。メッセージではなく、判断の為のインフォメーションが大切なのではないだろうか。
特に、学問領域が細分化され、かつ、学問間の垣根が下がってきている昨今、「どんな研究ができるか」という情報を出す事は非常に意味があると感じる。
「精密工学」と聞いてイメージが浮かぶのは、時計やデジタルカメラ、携帯電話、パソコンなどだと思うが、
実は医療や脳といった分野もこの精密工学科という学科は手を伸ばしている。
そういった情報を出していけば、面白いのではないだろうか。