二〇〇五年、十二月、〇七日。
今日、祖母が死んだ。
今、新幹線で郷里へ向かっている。

祖母の人生が、今日「確定」した―。



たぶんそれは、事実なのだ。
たぶんそれは、何かの間違いなどではないのだ。


死の確実性を
死の不可避性を
死の不可逆性を

齢二〇にして、やっと実感しつつある。
人は自らの死を以って人生の新参者に最後の教育を行う。

僕はその授業を受けに郷里へと急ぐ。
今日の東京は、寒くて、綺麗だった。