体験記

条件:後輩に向けたもの。学校礼賛する必要はないが内職を勧めてはいけない。

合格体験記

1.はじめに
 これは名の通り体験記である。なにを体験したのであろうか?合格をである。諸君らが日常の体験からわかっているように、体験しただけでは自分の身、血肉とはならぬ。従ってこの合格体験記なる書物も、合格というトラの威を借りたキツネが啼いているにすぎず、私の言っていることをそのままやったところで、諸君らが「体験者」となれるかどうかは当然未知数なのである。従って、この書物は効率の悪くない勉強法の提示や、諸君らのやる気の涵養、及び気休めでなく現実を見た受験を乗り越えるための指針を目指してはいるが、むしろ批判眼の養成の練習台として使ってくれれば最大の効果を発揮するであろう。すなわち、この「私の」考え、「私の」受験観を提示する中から、諸君らが真に諸君ら自身にとって有用と思われるものを取捨選択していって欲しいのである。

 取捨選択のためには、私と諸君らの「違い」を明確にする事が第一に必要であろう。筆者の素性も分からず闇雲に自分と比べてみたところでそういった比較は画餅にすぎない。 比較というのは二つの要素を、どんな事象について「較べる」のかという視点が必ず必要だからである(英語の比較構文を想起せよ)。 それでは、私という人間についての客観的なデータを提示してみたい。
 ・勉強が大嫌い:高2まで成績は底辺。中3の二学期中間時に至っては学科平均34点という点数を取り、高2の終わりで15もの位落とした。
 ・英語が大嫌い:高2の終わりまで英語が非常に苦手だった。配られた合格体験記に書かれていた、"Where there is a will there is a way!"の意味が全く分からなかった。「どこに意思があるのか?道がある!」などと訳して一人喜んでいた。 すなわち、関係代名詞や関係副詞というものが全く分からず、当然英語というものが意味不明であった。
 ・暗記が大嫌い。:化学の理論分野はできるが、無機有機はついにできるようにならなかった。
 ・文章を書くのが好き:中3の頃からであろう。日記をつけ始めた。 わが校の校誌などにも幾度か寄稿したことがある。
 ・考える科目が大好き:物理では普通に東大模試でも名前が載るほどできたし好きだった。


 取捨選択をしてもらいたいとは言った。しかし、それは「楽な道」を選ぶ言い訳としてはならない。物事を達成するには理想と現実の橋渡しをする努力というものが常に不可欠である。確かに私は高2の終わりで英語の単位を落とした。追認試験でも単位を取ることが叶わなかった。高3の夏休み、一日6時間英語をやった。英語ができるようになった。私の英語は高2の終わりでほとんどまったくのゼロから、一浪時の夏の東大模試(駿台)では、81点。東大模試にして偏差値66.5、308番という結果を記録した。 効率が良い勉強を続けるから結果が出るのであって、効率の良い勉強をすれば、勉強時間が少なくても底辺から脱出できるという事ではないのだ。 もっとも、「効率」の利かない分野もある。 例えば物理などは、一度大量に情報をインプットした後、しばらく「時間がたつ」事が物理的素養の向上には必要だ。これは私を担当してくださった物理の先生が「発酵」と呼んでいるものである。


2.抽象論
 理想的な学習というものは、全体→部分すなわち、大掴み→詳細へと、既に敷衍された情報を取り入れて行くことである。



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